健康食品・サプリメントの泉
朝鮮人参
昔、アメリカのホワイトハウスの訪問者が記念としてそこにあるマッチ箱を黙って持ち帰ることがよくありました。
そこで、20世紀のアメリカの大統領であるセオドア・ルーズベルトはマッチ箱に次のようなことばを印刷させることにしました。
「このマッチはホワイトハウスより盗まれたものである」と。
うまいですね。
でも、そのことばも逆に記念になったりして役に立たなかったのかも知れません。
ところで、朝鮮人参も昔は高価でしたので、よく栽培中に盗まれることがあったそうです。
私は朝鮮人参を栽培している県の某大学に行っていましたから、よく知っています。
朝鮮人参にホワイトハウスのマッチ箱のように「この朝鮮人参は○○から盗まれたものである」と印刷や刻印することができたら、盗まれることはなかったかも。
今なら、ICタグやGPSシステムを使うところでしょうか。
朝鮮人参とは
朝鮮人参(ちょうせんにんじん)はウコギ科の多年草で、ふたまたにわかれた白い根を持っています。
原産地は中国の遼東半島から朝鮮半島にかけての地域といわれ、現在は中国東北部やロシア沿海州にかけても自生しています。
朝鮮人参はオタネニンジン、高麗人参(こうらいにんじん)とも呼ばれ、野菜のニンジンや金時人参はセリ科の植物で朝鮮人参とは遠縁にあたります。
朝鮮人参はおもに根が薬用に用いられ、中国では古くから不老長寿の漢方薬として栽培され、利用されてきました。
日本でも日本薬局方に朝鮮人参の効能が記載されています。
朝鮮人参の野生種は山に自生し、山参(さんじん)と呼ばれ、根の長さは50㎝を超えるもの少なくありません。
寿命も人間とほぼ同じぐらいで約150年あるといわれています。
日本の栽培地は福島県、長野県、島根県でおもに栽培されていますが、国内の消費の大半は中国や韓国からの輸入品です。
国内の流通している朝鮮人参の約70%が韓国と中国で栽培されたものです。
朝鮮人参の成分
朝鮮人参は水参(すいじん)といって、根を生のまま使うこともありますが、ふつうは乾燥させて使います。
朝鮮人参は根の乾燥方法に違いにより白参(はくじん)と紅参(こうじん)があり、白参は煮立てたあとに皮をむいて乾燥させたもので、4年以上のものが良いとされています。
紅参は煮立てた後に皮をむかずに乾燥させたもので、ふつうは6年以上のものの朝鮮人参からつくられます。
品質的には皮の部分にサポニンという成分が多く含まれていますので、紅参の方が優れています。
朝鮮人参の有効成分
- ジンセノイド
- サポニンであるジンセノイドの効能としては免疫活性、血流改善作用、女性ホルモンのエストロゲン作用などが知られています。
- 免疫活性、血流改善作用、エストロゲン作用などは全身の働きを高めるとともに精力増強にも効能が期待できます。
- ジンセノイドはRb1やRg1など約30種類の有効成分の集まりで、朝鮮人参が持つ多くの健康の効能はジンセノイドの複数の有効成分が相乗的に効能を発揮しています。
- また、朝鮮人参のジンセノイドの働きは複雑で、代表的なRb1というサポニンは中枢神経を抑制し血圧を低下させるように働きます。
- ところが、Rg1というサポニンは中枢神経を刺激し血圧を上昇させ、血流を促進するというまったく逆の働きをします。
- Rb1にはその他にも白血球のNK細胞を活性化させ免疫を高める働きやエストロゲン作用、血小板凝集を抑制する働きがあります。
- 朝鮮人参の効能はジンセノイドによるところが大きいのですが、その働きや仕組みについての詳細は今のところ未解明な部分が多いのです。
- ミネラル
- 朝鮮人参にはミネラルの中でもマグネシウムとカリウムが多く含まれています。
- マグネシウムにはエネルギー代謝を促進して疲労回復の手助けするほか筋肉の働きを調整して筋肉痛を緩和する働きがあります。
- マグネシウムにはイライラを解消する、血液を固まりにくくする、体温を正常に保つ、血管を広げ、血圧を正常に保つ働きがあります。
- そのため、マグネシウムは腎臓(じんぞう)にカルシウムの沈着を防ぐ効能、血管の中膜へのカルシウムの沈着を防ぎ動脈硬化の予防の効能が期待できます。
- また、マグネシウムはカルシウムとともに骨を強化し、骨粗しょう症を予防する、歯のエナメル質をつくり、虫歯を予防する効能が期待できます。
- そのほかに、マグネシウムはインスリンの分泌を促進し、血糖値を下げるなどの働きがあり、糖尿病の予防の効能が期待できます。
- カリウムは食べ物からエネルギーをつくる、ナトリウムと一緒に作用して身体の水分バランスを保つ働きがあります。
- そのほか、カリウムは血圧を下げるのを助け、心臓の規則的な鼓動を保つ、疲労感・脱力感を防ぐ働きがあります。
- ビタミンB1、ビタミンB2
- アルギニン
- アルギニンは準必須アミノ酸の一種で、体内で必須アミノ酸から合成できますが、成長期には大量に必要で食物より摂取しなければならないアミノ酸です。
- また、アルギニンは胸腺を刺激し、リンパ球のT細胞、NK細胞の分泌を促進します。
- アルギニンが分解されてできた、オルニチンは白血球のマクロファージ(大食細胞)を活性化する働きがあります。
- つまり、アルギニンは免疫機能の向上の働きがあります。
- アルギニンは一酸化窒素の基材となり、一酸化窒素は血管を広げ、血流の増加の働きがあります。
- アルギニンは血液の流れを良好にして、ストレスで弱体化するとされている男性ホルモンを助け、ストレス耐性をアップさせるなどの効能が期待できます。
- また、アルギニンは成長ホルモンの分泌を促し、基礎代謝量をあげるなど疲労回復や精力増強の効能が期待できます。
- つまり、アルギニンは精力に対しても重要な役割を果たしていて、不足すると精力減退の原因になります。
- コリン
- コリンは神経伝達物質のアセチルコリンの材料となる物質です。
- アセチルコリンは自律神経の副交感神経を刺激してリラックスさせるという働きがある神経伝達物質です。
- 男性ホルモンはストレスに弱く、そのストレスを軽減する作用のあるアセチルコリンを増やすことは男性ホルモンを増やして、精力増強の効能が期待できます。
- ところで、パーキンソン病は脳内伝達物質のドーパミンの不足によって起こる認知症のような症状がでる疾患です。
- パーキンソン病は脳内のドーパミンが不足し、逆にアセチルコリンが脳内に増えていく進行性の神経変性疾患の1つです。
- しかし、朝鮮人参を摂取したからといって、脳内にアセチルコリンが増え、パーキンソン病になるというわけではありません。
朝鮮人参の副作用と安全性
一般的に、朝鮮人参は適量を経口摂取で用いれば安全性が高く、多くの効能が期待できますが、副作用や禁忌(きんき)があります。
朝鮮人参には健康食品やサプリメントとしての摂取量に明確な基準はありません。
しかし、過剰摂取による副作用がでやすい健康食品やサプリメントがありますので使用時には正しい知識が必要です。
朝鮮人参を摂取すると口の渇きや動悸、不眠、頭痛、吐き気などの副作用がでることがあります。
朝鮮人参摂取の副作用として躁状態になった例もあります。
副作用がでた場合はすぐに摂取を中止するべきです。
朝鮮人参でもっとも多い健康トラブルは過剰摂取です。
効能を期待するあまりの摂り過ぎには十分注意しましょう。
また、朝鮮人参には血糖値を下げる効能が期待できますが、糖尿病治療中の方は低血糖に注意が必要です。
朝鮮人参は高血圧の方は摂取しない方がいいでしょう。
朝鮮人参は血栓塞栓症の治療や予防剤のワーファリンや強心剤のジゴキシンと併用するとワーファリンやジゴキシンの効き目が増強されるといわれていますので摂取しない方がいいでしょう。
朝鮮人参は利尿剤のフロセミドと併用するとフロセミドの利尿作用が弱くなってしまうそうですので、朝鮮人参を摂取することはやめた方がいいでしょう。
朝鮮人参のまとめ
朝鮮人参はウコギ科の多年草で、ふたまたに別れた白い根を持っています。
原産地は中国の遼東半島から朝鮮半島にかけての地域といわれ、現在は中国東北部やロシア沿海州にかけても自生しています。
朝鮮人参はおもに根が薬用に用いられ、中国では古くから不老長寿の漢方薬として栽培され、利用されてきました。
日本でも日本薬局方に朝鮮人参の効能が記載されています。
朝鮮人参にはサポニン配糖体であるジンセノイド、マグネシウムやカリウムなどのミネラル、ビタミンB1、ビタミンB2、アルギニン、コリンなどが含まれています。
朝鮮人参は滋養強壮、体力増強、健康維持、精力増強、血圧調整などさまざまな効能が期待できますが、口の渇きや動悸、不眠、吐き気などの副作用がでることもあります。
朝鮮人参は血栓塞栓症の治療や予防剤のワーファリンや強心剤のジゴキシンと併用するとワーファリンやジゴキシンの効き目が増強するといわれていますので摂取しない方がいいでしょう。
朝鮮人参は利尿剤のフロセミドと併用するとフロセミドの利尿作用が弱くなってしまうそうですので、朝鮮人参を摂取することはやめた方がいいでしょう。
ところで、
ウクライナを侵略しているロシアが敗退して、この戦争が終わりますよう、切実に祈念いたします。
I sincerely pray for the end of this war with the defeat of Russia, which is invading Ukraine.
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