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血栓
江戸時代の文人で、狂歌師の大田南畝(おおたなんぼ)、またの名を蜀山人(しょくさんじん)は御家人でもありましたので、将軍のお供をして鷹狩りにいきました。
御家人たちが歌の徳で鶴が3羽ほど将軍の手に入るように歌を詠めとすすめました。
大田南畝は歌を詠みましたが、鳥は寄ってきませんでした。
あとで大田南畝は
あまりに名歌ゆえにそのしるしなかりき
(あまりにも良い歌なのでご利益がなかった)
と詠みました。
自画自賛ですか。
すごい心臓ですね。
狂歌師の大田南畝は心臓に血栓ができても狂歌で吹っ飛ばしたかも知れませんね。
血栓とは
血栓(けっせん)は血管の中にできた血などのかたまりのことです。
血栓は擦り傷や切り傷など、皮膚などの出血後にできるかさぶたが血管の中でできたものです。
血液は異物に触れると固まる性質を持っています。
血管の内側は血管内皮でおおわれていて、血液が血管以外の異物と接触するのを防いでいます。
このため血液が血管の中をふつうに流れているときは、血液が自然に固まることはほとんどありません。
しかし、血管が何らかの原因で傷つき血管内皮の膜が破れて空気などの異物と接触すると、血液凝固繊維タンパク質のフィブリンと血小板が赤血球、白血球などの血球成分とともに血餅(けっぺい)をつくります。
皮膚などの血管の外側にできた血餅が乾燥したものがかさぶたです。
血管の内壁のコレステロールのアテローム、粥状の隆起が徐々に大きくなって硬くなっても血栓ができます。
ふつう、血栓もかさぶたも役割は止血です。
止血が終わって障害されたところが修復されると血栓は消えるのですが、血管内壁に堆積したコレステロールの場合、そのままでは消えません。
動脈の血栓症
心臓に栄養を与えている冠動脈、頭の中の脳動脈などを血栓が狭め、詰まらせると狭心症、心筋梗塞(しんきんこうそく)、脳梗塞(のうこうそく)などの疾患を引き起こします。
心筋梗塞は冠動脈の血管の内側に粥状の隆起や血栓ができて血液の流量が下がり、心臓の筋肉に酸素や栄養が行き渡らなくなり筋肉が壊死してしまう疾患です。
狭心症は完全に血流が遮断されてなく、心筋が虚血状態に陥っていますが壊死にまでいたっていない心筋梗塞の前段階の疾患ことです。
動脈の内腔が狭くなったり詰まったりする最大の原因は動脈硬化です。
冠動脈の壁の内側に血液中のコレステロールがたまるとアテロームができます。
それが徐々に大きくなって盛り上がってくると、血液が流れる内腔はしだいに狭くなってきます。
動脈硬化が始まっても症状がまったくありません。
多くは、冠動脈の内腔が90%ほど塞がったところに初めて狭心症が現れます。
そして、この粥腫の表面を覆う皮膜が破れると、そこに血液を凝固させる血小板が集まり、血栓ができます。この血栓が冠動脈を詰まらせるのです。
アテローム血栓性脳梗塞の場合は首から脳に通じる頸動脈や頭蓋(とうがい)内の比較的太い動脈のアテローム硬化が原因となって起こる梗塞です。
アテローム硬化は血管の中でコレステロールが粥状に固まったようになっていることから、粥状硬化(じゅくじょうこうか)ともいわれます。
アテローム血栓性脳梗塞は粥状の隆起ができると血管が狭くなり、そこに血栓ができて詰まったり、その血栓がはがれて流れだし、その先で詰まったりするために起こるタイプの脳梗塞です。
なお、動脈の直接の血栓症ではありませんが、心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)という疾患があります。
心原性脳塞栓症は心房細動(しんぼうさいどう)や心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)、心筋梗塞などのために心臓の中に血栓ができて、それが脳に流れてきて詰まった脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞です。
狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を起こすアテローム硬化をなくし、動脈硬化にならないためには、血管の内壁にコレステロールを堆積させないことが大切です。
現在、悪玉コレステロールと呼ばれる低密度リポタンパク質、つまりLDLコレステロールの血中濃度が高い場合、糖尿病の方や高血圧の方、タバコを吸う方などでは動脈硬化が進行しやすいことがわかっています。
動脈硬化の予防はいわゆる生活習慣病の予防で、糖質・脂肪など高calを避けるなど食生活の改善、体脂肪を減らし血糖値を下げる運動、禁煙などが有効です。
そして、動脈硬化の治療には生活習慣を改めたうえで、血圧降圧剤、脂質降下剤、糖尿病治療剤も併用します。
また、お茶に含まれているカテキンなどのポリフェノールは血液中のコレステロール値を調整して血中脂質を正常化する働きがあり、動脈硬化の予防の効能が期待できます。
納豆に含まれる酵素のナットウキナーゼやビタミンのビタミンKは直接血栓を溶かす効能が期待できます。
静脈の血栓症
急性肺血栓塞栓症、エコノミークラス症候群は飛行機で長時間旅行したあと、飛行機から降りて歩き始めた直後などに急に呼吸困難やショックを起こし、ときには死亡することもある疾患です。
飛行機のエコノミークラスで旅行すると、狭い座席に長時間座ったままの状態で、血液の流れが悪くなり、足の静脈の中に血栓ができることがあります。
この血栓は歩くことなどをきっかけに足の静脈の血管から剥がれ、静脈の血液の流れに乗って肺にいき、静脈から動脈へ移ったときに肺の動脈を塞いでしまうことがあります。
これがエコノミークラス症候群と呼ばれ、健康な方が急に死亡してしまう恐ろしい疾患として知られています。
最近では2016年4月に起きた熊本・大分地震のときに、車中泊をした女性の方がこのエコノミークラス症候群でお亡くなりになりました。
この女性の車中泊の場合も飛行機のエコノミークラスと同じように、長時間狭い座席で同じ姿勢を強いられたためだといわれています。
エコノミークラス症候群はエコノミークラスの乗客だけでなく、ビジネスクラス以上の乗客や、車の長距離運転手などにも発症することが知られてきましたので、旅行者血栓症とも呼ばれています。
肺の大切な役割は身体の外から酸素を取り込み、かわりに二酸化炭素を身体の外へ排出するガス交換という働きです。
肺の動脈が詰まると、呼吸によって肺の中まで入ってきた酸素が血液の中に十分取り込まれなくなります。
そのため血液の酸素の濃度が低下し、呼吸はしていても、窒息状態となっているのです。
大きな血栓が肺動脈に詰まると血液は全然流れなくなり、失神やショックを起こします。
急性肺血栓塞栓症の約8割のおもな症状は突発性の呼吸困難で、呼吸困難の発作は1回だけのこともありますが、数回発作が生じ、その度に状態が悪化する場合もあります。
また、約半分が胸の痛みを訴え、3割弱が失神発作を起こしています。
全身倦怠感や動悸、冷や汗などの症状がでることもあります。
エコノミークラス症候群が発症した直後であれば、抗血液凝固剤のヘパリンの点滴やワーファリンを経口処置することで治療できます。
しかし、心臓が停止した状態や症状が極めて重く内科的な治療を行う余裕がない場合には、カテーテル治療、肺動脈血栓摘除術などの直接血栓を取り除く治療が必要です。
エコノミークラス症候群の予防は十分な水分を摂取する、脱水を招くアルコール飲料やカフェインの入ったコーヒーを控える、足を上下に動かすなど適度な運動をすることです。
なお、新型コロナウイルス感染症のワクチン、とくに英アストラゼネカ社製のワクチンには血小板の減少をともなう、重篤な脳静脈血栓症をきたすことが報告されています。
血栓のまとめ
血栓は血管の中にできた血などのかたまりのことです。
血栓は擦り傷や切り傷など、皮膚などの出血後にできるかさぶたが血管の中でできたものです。
血液は異物に触れると固まる性質を持っています。
血管の内側は血管内皮でおおわれていて、血液が血管以外の異物と接触するのを防いでいます。
このため血液が血管の中をふつうに流れているときは、血液が自然に固まることはほとんどありません。
しかし、血管が何らかの原因で傷つき血管内皮の膜が破れて空気などの異物と接触すると、血液凝固繊維タンパク質のフィブリンと血小板が赤血球、白血球などの血球成分とともに血餅をつくります。
皮膚などの血管の外側にできた血餅が乾燥したものがかさぶたです。
血管の内壁のコレステロールのアテローム、粥状の隆起が徐々に大きくなって硬くなっても血栓ができます。
ふつう、血栓もかさぶたも役割は止血です。
止血が終わって障害されたところが修復されると血栓は消えるのですが、血管内壁に堆積したコレステロールの場合、そのままでは消えません。
アテローム硬化は血管の中でコレステロールが粥状に固まったようになっていることから、粥状硬化ともいわれます。
アテローム硬化による血栓は狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの原因となります。
狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を起こすアテローム硬化をなくし、動脈硬化にならないためには、血管の内壁にコレステロールを堆積させないことが大切です。
動脈硬化の予防はいわゆる生活習慣病の予防で、糖質・脂肪など高calを避けるなど食生活の改善、体脂肪を減らし血糖値を下げる運動、禁煙などが有効です。
そして、動脈硬化の治療には生活習慣を改めたうえで、血圧降圧剤、脂質降下剤、糖尿病治療剤も併用します。
また、お茶に含まれているカテキンなどのポリフェノールは血液中のコレステロール値を調整して血中脂質を正常化する働きがあり、動脈硬化の予防の効能が期待できます。
納豆に含まれる酵素のナットウキナーゼやビタミンのビタミンKは直接血栓を溶かす効能が期待できます。
ところで、
ウクライナを侵略しているロシアが敗退して、この戦争が終わりますよう、切実に祈念いたします。
I sincerely pray for the end of this war with the defeat of Russia, which is invading Ukraine.
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