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大腸
14世紀のローマ教皇ベネディクトゥス11世はジオットの画才を試した上でジオットに絵を描かそうと思いました。
そこでベネディクトゥス11世はジオットに「お前の画才を証明するような作品を提出せよ」と命じました。
するとジオットはベネディクトゥス11世の命令に応えて、ただ1つの正円形を描いたものを提出しました。
これは14世紀の抽象画でしょうか?
それともジオットはベネディクトゥス11世の命令に反発してわざと変な作品を提出したのでしょうか?
いや、ジオットは単純に画才を証明したのでしょう。
コンパスも使わず単にフリーハンドで正円形を描くことはとても難しいことです。
マンガの神様ともいわれている手塚治虫にもフリーハンドで正確な丸を描くことができたという伝説があります。
風景でも頭の中のイメージでもそれを正確に描写するには技量がいるということですね。
それにしてもマンガ家は心身ともにたいへんなストレスと闘っています。
それは締め切りというストレスです。
下痢や便秘などの便通異常はもちろん、不眠のために統合失調症まで発症するくらいですからね。
大腸とは
大腸(だいちょう)は小腸から肛門(こうもん)につながる長さ約1.5m、太さは小腸の約2倍の5〜8㎝の盲腸(もうちょう)、結腸(けっちょう)、直腸(ちょくちょう)の3部分からなる消化器官です。
結腸は上行結腸(じょうこうけっちょう)、横行結腸(おうこうけっちょう)、下行結腸(かこうけっちょう)、S状結腸(えすじょうけっちょう)から構成され、直腸へ続き、さらに肛門へと通じています。
大腸の働き
大腸のおもな働きは水分、カリウム、カルシウム、塩素などのミネラルの吸収ですが、腸内細菌による未消化物の分解や食物繊維の発酵も行われます。
大腸では未消化のセルロースなどの炭水化物が腸内細菌により発酵、分解され、酪酸、乳酸、酢酸などになり、水素、二酸化炭素、メタンなどが発生します。
大腸菌はその名のとおり、大腸の結腸にもっとも多く棲んでいますが、小腸から大腸にかけての腸内フローラと呼ばれる部分にも多く棲息しています。
人間は大腸菌とある意味、共生関係にあり、人間は食物の食物繊維などを大腸菌にエサとして与えています。
人間は食物繊維を消化できませんので、大腸菌が食物繊維を発酵・分解してできた酵素やミネラル、ビタミンを食物から摂取するミネラル、ビタミン以外にも利用しています。
大腸菌が産生するビタミンにはビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンKなどがあります。
胃や小腸での栄養分の消化吸収がほぼ終わったあと、食物残渣(しょくもつざんさ)は大腸へ送られ水分と電解質の一部が吸収されます。
そのため食物残渣はこのとき、ある程度の固さを持っています。
その後、食物残渣は下行結腸へ送られて、弱い蠕動(ぜんどう)で少しずつ肛門側に送り込まれます。
下行結腸ではごく少量の水分が吸収されますが、この間に便のかたまりになります。便が長く滞ると、水分が吸収されて固くなります。
固くなりすぎると蠕動で移動しなくなり、便が大腸の中で滞ってしまい、便秘になります。
S状結腸まで送られた便は、直腸との境部にある骨盤直腸括約筋が食物や水分の摂取、歩行、喫煙などの刺激で緩み、便が直腸に移行します。
便が直腸に移行した刺激が骨盤内臓神経の知覚神経を伝わって仙髄の中枢を経て、さらに脳の中枢に伝わり、便意を感じるというしくみになっています。
便意を感じると腹腔内圧が高くなり、直腸が収縮して便が押し出され、肛門括約筋が緩んで排泄が起きることになります。
大腸の疾患
- 大腸カタル
- 潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)
- 潰瘍性大腸炎は遺伝的素因や食生活、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)の変化、ストレスなどにより、大腸粘膜が異常な免疫反応を示して起きるものと考えられています。
- 潰瘍性大腸炎は大腸粘膜が炎症を起こして、ただれや潰瘍を形成して、粘血便を排泄する、下痢をする、腹痛を起こすなどの症状が出ます。
- 潰瘍性大腸炎は20〜30代の若い方に多く発症しますが、50〜60代の方にも見られることがあります。
- 潰瘍性大腸炎は数か月から数年のパターンで繰り返されることが多くあります。
- 潰瘍性大腸炎は大腸内内視鏡検査と血液検査で診断し、薬物療法を中心にして治療を行います。
- 潰瘍性大腸炎は発症後10年以上経つと大腸ガンになるリスクが高くなるので注意が必要です。
- クローン病
- クローン病は大腸に炎症が生じる疾患ですが、原因がまだはっきりしていませんので非特異性腸炎の一種として分類されています。
- クローン病は潰瘍性大腸炎と同じように大腸粘膜が異常な免疫反応を示して起きるもののようです。
- しかし、クローン病は潰瘍性大腸炎と異なり大腸だけではなく、小腸にも炎症を起こすことがあるのが特徴です。
- クローン病は炎症を起こす範囲によって小腸型、小腸大腸型、大腸型とわけられています。
- また、クローン病は食道や胃も炎症を起こすことがあります。
- クローン病の症状は血便、下痢、全身倦怠感、食欲不振、体重減少、虫垂炎(ちゅうすいえん)のように右下腹部の痛みなどがあります。
- クローン病の治療は栄養療法と薬物療法があります。
- 栄養療法は脂質がクローン病の再発の引き金となっているので脂肪を制限した栄養剤を服用する治療です。
- 薬物療法は潰瘍性大腸炎と同じように免疫異常や腸管炎症を抑制する治療法です。
- クローン病は発症の原因がまだはっきりしていませんので、治るまで時間がかかる疾患であり、また再発の可能性が高い疾患です。
- クローン病は気長に疾患と付き合っていくしか方法はないようです。
- 虫垂炎
- 虫垂炎は盲腸の先に突き出た5㎝ほどの虫垂に化膿性の炎症が起こる疾患です。
- 以前は盲腸まで炎症が広がった状態で発見されることが多かったので盲腸炎とも呼ばれています。
- 激しい右下腹部の腹痛を特徴としていますが、腹痛の前に吐き気や胃の痛みなどを起こすことがあり、早期に発見できることがあります。
- 虫垂炎は手術療法で炎症を起こしている虫垂を摘出してしまえば、予後が良好な疾患です。
- 私事になりますが、私は中学2年のときに虫垂炎をわずらい、手術とその予後のため1週間入院しました。
- 手術中に自分の虫垂を見せられましたが、麻酔でもうろうとした自分の目にはただのミミズにしか見えませんでした。
- しかし、虫垂炎は手術療法による虫垂の摘出が遅れると虫垂が破裂することがあります。
- すると、細菌を含んだ腸の内容物が腹腔内に漏出して腹膜炎を起こし、処置が遅れると生命を失うリスクが高くなることがありますので、注意が必要です。
- 大腸憩室症(だいちょうけいしつしょう)
- 大腸憩室とは大腸粘膜の一部が腸管内圧の上昇により袋のような形の嚢状(のうじょう)に腸壁外に突出したものです。
- 大腸憩室症はその大腸憩室が多発した状態で憩室壁が腸壁の全層からなる先天性の真性憩室と筋肉層を欠く後天性の仮性憩室にわけられます。
- 大腸憩室症の発症した方の大部分は仮性憩室であり比較的高齢者に多い疾患です。
- 大腸憩室症の発症の原因は食生活の欧米化とともに肉食、食物繊維の摂取量の減少のために便秘や腸管の収縮を起こし、腸管内圧が上昇しやすくなったためであると考えられています。
- また、加齢による腸管壁の脆弱化、体質、遺伝、腸内環境の変化などの要因も考えられます。
- 大腸憩室症の症状は過敏性腸症候群のような症状があり、下痢、軟便、便秘などの便通異常、腹部膨満感、腹痛などです。
- 大腸憩室症から憩室に便が溜まって憩室炎に進み、さらに進行すると穴があき穿孔(せんこう)による腹膜炎、腸閉塞(ちょうへいそく)などを生じることがあります。
- 大腸憩室症の診断は大腸内視鏡検査や造影X線検査、腹部超音波、CT、MRIなどの検査で行われます。
- 大腸憩室症の治療は無症状であればとくに治療の必要はありません。
- 大腸憩室症は腸の異常運動に基づく便通異常などの症状があれば、薬物療法を行います。
- しかし、大腸憩室症は腹膜炎や腸閉塞を起こしている場合、外科手術による手術療法を行います。
- 大腸ポリープ
- 大腸ポリープは大腸の粘膜や粘膜下層、筋肉にできた腺腫、イボのようなものです。
- 粘膜にできたポリープはふつう良性のものが多いのですが、粘膜下層や筋肉にできたポリープは悪性か良性かが問題になります。
- カルチノイドと呼ばれる悪性の大腸ポリープは低悪性度のガンとみなされます。
- カルチノイドはいずれ大腸ガンに進行する大腸ポリープです。
- 粘膜にできた大腸ポリープはもちろん、粘膜下層や筋肉にできた大腸ポリープも早期のうちでしたら、外科手術ではなく、内視鏡手術による手術療法で切除できます。
- もっとも粘膜下層や筋肉にできた大腸ポリープの内視鏡手術は粘膜にできた大腸ポリープの切除よりもはるかに難しく、時間がかかるものとなっています。
- 大腸ポリープは食生活の欧米化、遺伝的なもの、肥満、ストレスなどが原因であると考えられていますがはっきりしていません。
- 大腸ポリープの診断は腸内視鏡検査が確実です。
- 最近では腸内視鏡検査のときに切除して、組織検査を行い、良性か悪性の判定を行うこともできます。
- 良性であればとくに処置は必要ありませんが、悪性であれば腸内視鏡や外科手術による手術療法で摘出処置する必要があります。
- 大腸ガン
- 大腸ガンは大腸でも直腸と結腸にできたガンのことをいいます。
- 大腸ガンは便通の異常、血便、残便感、細い便、腹痛、腹部膨満感、貧血、立ちくらみなどの症状が出ます。
- 中でも血便の頻度が高く、痔とまちがって受診が遅れることがありますので、注意が必要です。
- 大腸ガンの原因は大腸ポリープとほぼ同じで、食生活の欧米化、遺伝的なもの、肥満、ストレスなどが原因であると考えられています。
- しかし、大きく異なっているのはアルコールの要素が加わることでしょうか。
- アルコールによる大腸ガンのリスクは飲まない方に比べて1.4〜3倍になって増えていきます。
- 大腸ガンの治療は初期のものは腸内視鏡で切除できますが、ステージが進んだものは外科手術による手術療法、さらにステージが進みますと、化学療法や放射線療法を行うことになります。
- 後になるほど生命を失うリスクが高くなりますので、大腸ガンの早期発見のために腸内視鏡検査を年1回は受けるようにしたいものです。
大腸のまとめ
大腸は小腸から肛門につながる盲腸、結腸、直腸の3部分からなる消化器官です。
大腸のおもな働きは水分、カリウム、カルシウム、塩素などのミネラルの吸収ですが、腸内細菌による未消化物の分解や食物繊維の発酵も行われます。
大腸の疾患には大腸カタル(急性胃腸炎)、潰瘍性大腸炎、クローン病、虫垂炎、大腸憩室症、大腸ポリープ、大腸ガンなどがあります。
アルコールによる大腸ガンのリスクは飲まない方に比べて1.4〜3倍になって増えていきます。
ところで、
ウクライナを侵略しているロシアが敗退して、この戦争が終わりますよう、切実に祈念いたします。
I sincerely pray for the end of this war with the defeat of Russia, which is invading Ukraine.
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