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脂肪酸
19世紀後半から20世紀前半にかけてのアイルランドの劇作家バーナード・ショーはある時いいました。
「私の知っている人間の中でもっとも理性的なのは、私の仕立て屋だ。彼はいつも私の寸法をはかる。しかし、他の人間たちは前に寸法をとったときから私がいつまでも変わらないと思い込んでいるよ」
仕立て屋が学者や批評家よりも理性的だなんてすごい皮肉ですね。
でもバーナード・ショーはちゃんと脂質を摂っていたのでしょうか?
晩年まで少しも太っていた形跡がありません。
仕立て屋もバーナード・ショーの寸法をはかるのは楽だったのでは?
脂肪酸とは
脂肪酸(しぼうさん)はグリセリンと結合して三大栄養素である脂質をつくっている重要な成分です。
脂肪酸は炭化水素が鎖状につながっている一端に1個のカルボキシル基がついている構造になっています。
油には液体の油と固体の脂がありますが、これらをまとめて油脂と呼んでいます。
この油脂は、脂肪酸とグリセリンという分子からできています。
この油脂や脂肪酸、グリセリン、コレステロールなどを合わせて脂質と呼んでいます。
脂肪酸は油脂の中にエステルという形であり、カルボキシル基のために酸に分類されますので、脂肪酸の名前がついている脂質です。
脂肪酸はその化学的構造の炭素の二重結合のあるなしによって大きく2つに分類でき、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。
炭素の二重結合がないのが飽和脂肪酸、二重結合があれば不飽和脂肪酸になります。
また、不飽和脂肪酸も二重結合が1つの一価不飽和脂肪酸、二重結合を2つ以上含む多価不飽和脂肪酸に分類されることもありますが、シス型とトランス型に分類されることが多いです。
飽和脂肪酸はウシやブタなどの肉類やバターなど乳製品に多く含まれている脂肪酸です。
パルチミン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸などの飽和脂肪酸は融点が低く、血液中のコレステロール値を上げ、脂肪細胞にたまりやすいといわれています。
また、ラウリン酸はココナッツオイルやパーム核油、母乳に含まれる脂肪酸で免疫力強化や抗菌作用、抗炎症作用などの効能が期待できます。
不飽和脂肪酸はイワシ、サバなどの青身魚や、オリーブ油、サラダ油などの植物性脂肪に多く含まれています。
オレイン酸、α(アルファ)リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、リノール酸など不飽和脂肪酸にはコレステロールの胆汁への排出を促進して、血中のコレステロールを下げる効能が期待できます。
なお、グリセリンは脂肪酸のカルボキシル基と結合することができ、グリセリンに脂肪酸が3個つながったものは、脂肪酸エステル、つまりトリアシルグリセロールと呼ばれています。
私たちがふだん食べている油脂の成分の多くはこのトリアシルグリセロールです。
脂質は膵臓(すいぞう)から分泌される膵液(すいえき)に含まれる消化酵素のリパーゼによって脂肪酸とグリセリンに分解されます。
エネルギー源として使われる脂肪酸は、エネルギー源として使われないときには、私たちの体内で脂肪細胞にトリアシルグリセロールとして蓄えられています。
健康診断の項目にある血液中の中性脂肪はトリアシルグリセロールを測定したものであり、体脂肪の内臓脂肪になる脂肪です。
なお、トリアシルグリセロールはトリグリセリドとも呼ばれます。
シス型脂肪酸とトランス脂肪酸
不飽和脂肪酸でもシス型というのは炭素の二重結合の周りの水素が同じ側にある脂肪酸で、トランス型というのは炭素の二重結合の周りの水素が反対側についている脂肪酸のことをいいます。
天然の不飽和脂肪酸はふつうシス型で存在します。しかし、ウシやヒツジなどの反芻(はんすう)動物では、胃の中の微生物の働きによってわずかですがトランス脂肪酸が作られます。
そのため、牛肉や羊肉、牛乳やバターやチーズなどの乳製品の中には天然の微量のトランス脂肪酸が含まれています。
また、液体の植物油や魚油から半固体または固体の油脂を製造する加工技術、水素添加によってもトランス脂肪酸が生成されます。
したがってトランス脂肪酸は水素添加によって製造されるマーガリン、ファストスプレッド、ショートニングやそれらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などにも微量ですが含まれています。
トランス脂肪酸の問題
脂質は三大栄養素の1つであり、食品からとる量が少なすぎると健康を害することがあります。
一方で、脂質はデンプンなどの糖質、タンパク質に比べて、同じ量当たりのエネルギーが大きいため、とりすぎた場合はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)による生活習慣病のリスクを高めることも知られています。
また、脂質は食物をおいしくしたり、食べやすくしたりするなどの役割も担っています。
厚生労働省の見解によれば、トランス脂肪酸については、食品からとる必要がないと考えられており、むしろ、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています。
トランス脂肪酸は摂取量が増えると血液中の悪玉コレステロールが増え、動脈硬化のため、脳梗塞(のうこうそく)、狭心症や心筋梗塞(しんきんこうそく)などの虚血性心疾患、また、発ガン性や糖尿病のリスクが増大するといわれています。
しかし、油脂の加工でできるトランス脂肪酸と天然にあるトランス脂肪酸では、健康に及ぼす影響に違いがあるのかどうか、また、たくさんの種類のあるトランス脂肪酸の中でどのトランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼすのかについては十分な報告や研究がありません。
脂肪酸のまとめ
脂肪酸はグリセリンと結合して三大栄養素である脂質をつくっている重要な成分です。
脂肪酸は炭化水素が鎖状につながっている一端に1個のカルボキシル基がついている構造になっています。
脂肪酸はその化学的構造の炭素の二重結合のあるなしによって大きく2つに分類でき、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。
炭素の二重結合がないのが飽和脂肪酸、二重結合があれば不飽和脂肪酸になります。
また、不飽和脂肪酸も二重結合が1つの一価不飽和脂肪酸、二重結合を2つ以上含む多価不飽和脂肪酸に分類されることもありますが、シス型とトランス型に分類されることが多いです。
トランス脂肪酸は摂取量が増えると血液中の悪玉コレステロールが増え、動脈硬化や狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、また、発ガン性や糖尿病のリスクが増大するといわれています。
しかし、油脂の加工でできるトランス脂肪酸と天然にあるトランス脂肪酸では、健康に及ぼす影響に違いがあるのかどうか、また、たくさんの種類のあるトランス脂肪酸の中でどのトランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼすのかについては十分な報告や研究がありません。
ところで、
ウクライナを侵略しているロシアが敗退して、この戦争が終わりますよう、切実に祈念いたします。
I sincerely pray for the end of this war with the defeat of Russia, which is invading Ukraine.
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