健康食品・サプリメントの泉
ワクチン
大正から昭和にかけての小説家、芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)は室生犀星(むろおさいせい)が毎日2〜3枚の原稿を書くという話を聞いてショックを受けました。
そして、「室生ってやつは、実に驚くべきやつだ。毎日、2枚か、3枚原稿を書くそうだ」と思いだしては、友人たちに繰り返して言いました。
いや、現在なら普通に書くでしょう。それが、日々の小説を書く鍛錬にもなるのですから。
よほど、芥川龍之介は原稿を書かなかったのですね。
それでは芥川龍之介は遅筆になって、締め切りに追われることになりますよね。
ところで、ワクチンの開発・実用化はとても年月も費用もかかります。
新型ウイルスがでたからといって、開発していたら、間に合わないケースが多発します。
しかも、効果があるかどうかもわからないし、副反応もでるかも知れません。
どんなウイルスがでても、対応できるような日々の研究が必要なのです。
ワクチンとは
ワクチンとは感染症の予防に用いる医薬品で、ワクチンを接種することで、感染症の病原体に対する抗体をつくり、免疫を獲得します。
ただし、自然の感染のように実際にその病気を発症させるわけではなく、一般的には毒性を弱めたり、無毒化した病原体を使って比較的安全な状態にして、免疫をつくります。
18世紀のイギリスの医学者エドワード・ジェンナーが牛痘ウイルスからつくった種痘を使用人の子どもに接種して初めてワクチンによる免疫をつくり、天然痘を予防したことはあまりにも有名です。
そして、ワクチン(vaccine)の語源も「牝牛」を意味するラテン語の「vacca」に由来しています。
ただし、最近の研究ではジェンナーが使ったワクチンは牛痘ウイルスではなく、馬痘ウイルスで、その後の世界で使われていた天然痘ワクチンは馬痘ウイルス、もしくは馬痘ウイルスの近縁種のウイルスからつくられていたという研究も発表されています。
ワクチンの種類
現在のワクチンには大きくわけて5つの種類があります。
- 弱毒化ワクチン(生ワクチン)
- 不活化ワクチン
- インフルエンザ、日本脳炎、ポリオ(小児マヒ)などで使われるワクチンで、病原体などの死骸や不活性化した病原体を身体に入れるもので、効果が弱く、複数回接種する必要があります。
- 組み替えタンパク質ワクチン(トキソイド)
- 破傷風、B型肝炎、百日咳などで使われるワクチンで、病原体の持つ毒を無毒化、つまり、病原体の構造の一部(タンパク質)を身体にいれるというもので、うまく免疫が獲得できないこともあります。
- ウイルス様粒子ワクチン
- 子宮頸ガンワクチンなどで使われる酵母などにウイルスの核となるタンパク質だけをつくらせ、遺伝子を持たない擬似ウイルスを身体に入れるもので、身体の各所に過剰な副反応がでることがあり、問題になることがあります。
- 遺伝子ワクチン
新型コロナウイルス感染症のワクチン
新型コロナウイルス感染症について、現在、日本では次の3種のワクチンが承認されています。
- 米ファイザー社製の遺伝子ワクチン
- 1番人気の効果が見込めるといわれているワクチンで、遺伝子ワクチンの中でも、RNAワクチンと呼ばれる、新型コロナウイルスのmRNA(メッセンジャーRNA)を利用するワクチンです。
- 3週間間隔で2回、筋肉注射という形で接種する必要がありますが、発症予防効果は従来種のウイルスに対しては、95%の予防効果が見込まれるといわれています。
- このワクチンの保管時の温度はマイナス80℃程度で、6か月保存できますが、他社製のワクチンよりは取り扱いが難しくなっています。
- 米モデルナ社製の遺伝子ワクチン
- このワクチンもRNAワクチンと呼ばれる、新型コロナウイルスのmRNAを利用するワクチンです。
- 4週間間隔で2回、筋肉注射という形で接種する必要があり、発症予防効果は従来種のウイルスに対しては94%の予防効果が見込まれるといわれています。
- このワクチンの保管時の温度はマイナス25℃程度で、6か月保存できますので、米ファイザー社製のワクチンよりは取り扱いが容易になっています。
- 英アストロゼネカ社製の遺伝子ワクチン
- 遺伝子ワクチンでもウイルスベクターワクチンと呼ばれるワクチンで、アデノウイルスやセンダイウイルスなどの無害なウイルスを新型コロナウイルスの遺伝子を運ぶ「運び屋(ベクター)」として利用します。
- 4〜12週間間隔で2回、筋肉注射という形で接種する必要があり、発症予防効果は従来種のウイルスに対しては76%の予防効果が見込まれるといわれています。
- 保管も2〜8℃で6か月程度冷蔵保管でき、実際のウイルス感染に近い状態で感染しますので、効果は高いと期待されていました。
- しかし、最近のデルタ株などの新型コロナウイルスの変異種には効果が期待できなくなってきて、ブースターショットと呼ばれる3回目の追加接種が必要だといわれています。
- 追加接種を行うことで、免疫力を維持して、新型コロナウイルスと共存するということになりそうです。
- なお、英アストラゼネカ社製のワクチンには血小板の減少をともなう、重篤な脳静脈血栓症をきたすことが報告されています。
以上のワクチンの発症予防効果は上記のとおりですが、重症化を防ぐという効果はどのワクチンでも同じように見込めるといわれています。
もっとも、新型コロナウイルスのワクチンは感染を防ぐためのものではなく、発症や重症化を防ぐという考え方のもとにつくられていますので、新型コロナウイルス全般に効果があると思われます。
また、副反応も多かれ少なかれ、似たようなもので、注射部位の痛み、頭痛、倦怠感、発熱があります。
私の場合は、米モデルナ社のワクチンを2021年の5月と、6月、2022年の1月と7月に接種しました。
副反応は1回目、2回目、3回目、4回目とも注射部位の痛み、頭痛、倦怠感、発熱、すべてでました。
1、2、3、4回目とも副反応がきつく、解熱頭痛薬のお世話になりました。
発熱でウイルスを殺す必要がないので、遠慮なく解熱頭痛薬を飲みました。
いずれの回も頭痛、発熱がウソのように治りました。
ワクチンによる激しいアレルギー反応のことをアナフィラキシーといいますが、アナフィラキシーがワクチンのどの成分に対して起こるのかはまだわかっていません。
しかしながら、国内で接種されているワクチンにはポリエチレングリコールが含まれていて、ワクチンのみならず、保湿剤として化粧品、薬剤などの添加物、ヘアケア商品などに使われています。
厚生労働省は過去にポリエチレングリコールに対して重いアレルギー反応を起こしたことのある方はワクチンを接種しない方がいいとしています。
また、厚生労働省はワクチンの成分以外のアレルギーということであれば、接種は可能だとしています。
ところで、日本のワクチン生産のことですが、新型コロナウイルスのワクチンはすべて外国製のワクチンで、国内生産もライセンス生産です。
国産のワクチンは開発中ということですが、実用化にはまだ時間がかかりそうです。
何で国産ワクチンが開発できなかったのかという問題は、日本の近代化が遅かったからという理由だそうです。
諸外国では中世のペストから第一次世界大戦時のスペイン風邪にいたるまで、すべて感染症のために軍が機能しなくなったという問題がありました。
そのため、諸外国では防疫という分野では日本とは比較にならないほど、力を入れています。
日本はそういう感染症のため、軍が機能しなくなった経験がありませんし、ワクチンなどの医薬品も輸入すればすぐ、手に入るという環境だったから開発する必要がなかったのです。
でも、今回の新型コロナウイルス感染症はこれからも長い付き合いをしていかなければならない感染症になりそうですので、日本としても本気で開発に取り組んでいかなければなりません。
ワクチンのまとめ
ワクチンとは感染症の予防に用いる医薬品で、ワクチンを接種することで、感染症の病原体に対する抗体をつくり、免疫を獲得します。
ただし、自然の感染のように実際にその病気を発症させるわけではなく、一般的には毒性を弱めたり、無毒化した病原体を使って比較的安全な状態にして、免疫をつくります。
現在のワクチンには大きくわけて5つの種類があります。
- 弱毒化ワクチン(生ワクチン)
- 不活化ワクチン
- 組み替えタンパク質ワクチン(トキソイド)
- ウイルス様粒子ワクチン
- 遺伝子ワクチン
現在、日本で流通している新型ウイルス感染症に対するワクチンは次の3つです。
- 米ファイザー社製の遺伝子ワクチン
- 米モデルナ社製の遺伝子ワクチン
- 英アストロゼネカ社製の遺伝子ワクチン
以上のワクチンの予防効果は76〜95%程度ですが、重症化を防ぐという効果はどのワクチンでも同じように見込めるといわれています。
以上のワクチンの発症予防効果は上記のとおりですが、重症化を防ぐという効果はどのワクチンでも同じように見込めるといわれています。
もっとも、新型コロナウイルスのワクチンは感染を防ぐためのものではなく、発症や重症化を防ぐという考え方のもとにつくられていますので、新型コロナウイルス全般に効果があると思われます。
ところで、
ウクライナを侵略しているロシアが敗退して、この戦争が終わりますよう、切実に祈念いたします。
I sincerely pray for the end of this war with the defeat of Russia, which is invading Ukraine.
こちらに興味をもっていただけそうなものがあります。よろしければ、最新情報をご覧になってください。