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核酸
紀元8世紀ごろの中国の唐の詩仙として有名な詩人、李白(りはく)はある月明かりの夜、舟遊びにでました。
そして、李白は例によって酒を飲んで酔い、よい気持ちになっていました。
水には満月が映りキラキラしていました。
李白は月を抱きとろうと水の上に手をだすと、そのまま水の中に落ちて溺死してしまったということです。
実話かどうかはともかく、李白は若いころ遊侠の徒でもあって、各地を放浪したそうですから、子どもはいなかったようですね。
李白に子どもがいればあれだけの才能を継ぐ、詩人がまた出現したかも知れませんね。
しかし、天与の才能は神の思し召し、ではなくて核酸の思し召しなのでしょうね。
核酸とは
核酸とはウイルスから人間までのすべての生物の細胞内にある、タンパク質の生合成や優性遺伝などの遺伝現象に関係している重要な物質です。
核酸は塩基、糖、リン酸からなる高分子化合物で、DNAとRNAの2種類があります。
DNA
DNAはデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)を略した名前で細胞の核の中にある遺伝子の本体です。
DNA上には、生物の身体の構築や生命活動に必要なタンパク質などをつくるための設計図がたくさん書かれています。この設計図の部分のことを遺伝子といいます。
遺伝子は遺伝形質を規定する因子であり、親から子へと遺伝する、あるいは細胞から細胞へと伝えられる形質、つまり性質を決定します。
人間の細胞の核の中には23対(46本)の染色体がありますが、DNAは染色体の中にあって、二重らせん構造を持ち、染色体の中に細かく折りたたまれています。
DNA上の情報はいったんメッセンジャーRNAに転写され、翻訳という過程をへてアミノ酸がたくさん連なったタンパク質が合成されます。
ここで、親から子へと遺伝する、あるいは細胞から細胞へと伝えられる形質が転写されていきます。
身体の各組織の細胞が代謝されるのも、子どもが生まれて、親の形質を受け継ぐのもこのDNA上の情報により各人まったくちがうものになります。
RNA
RNAはリボ核酸(ribonucleic acid)のことで、DNAによく似た遺伝物質です。
RNAは生物の細胞の核や細胞質にある、タンパク質の合成に関係します。
また、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のように、ウイルスの中にはRNAを遺伝子として持っているものもあります。
なお、ゲノム(genome)とはDNAのすべての遺伝情報のことです。遺伝子(gene)と染色体(chromosome)から合成された言葉で、染色体にあるすべての遺伝子を指します。
RNAは次の3種類があります。
- メッセンジャーRNA(mRNA)
- メッセンジャーRNAはDNAのアミノ酸を決める部分、つまり塩基情報をDNAから写し取ります。
- つまり、メッセンジャーRNAはDNAのゲノム(genome)からその生物特有のタンパク質を構成するアミノ酸の設計図を転写します。
- トランスファーRNA(tRNA)
- トランスファーRNAはメッセンジャーRNAの情報を翻訳します。
- そして、トランスファーRNAはその翻訳に従ってアミノ酸と結合して、アミノ酸をリボソームに運びます。
- リボソームRNA(rRNA)
- リボソームRNAはタンパク質と結合してリボソームを構成しています。
- リボソームRNAはトランスファーRNAが運んできたアミノ酸を翻訳情報に従ってタンパク質に合成しています。
このように、3種類のRNAはDNAのゲノム(genome)をその生物特有のタンパク質に変える働きを持っています。
なお、現在世界中で大流行している新型コロナウイルス感染症について、現在、日本では次の3種のワクチンが承認されています。
- 米ファイザー社製の遺伝子ワクチン
- 1番人気の効果が見込めるといわれているワクチンで、遺伝子ワクチンの中でも、RNAワクチンと呼ばれる、新型コロナウイルスのmRNA(メッセンジャーRNA)を利用するワクチンです。
- 3週間間隔で2回、筋肉注射という形で接種する必要がありますが、発症予防効果は従来種のウイルスに対しては、95%の予防効果が見込まれるといわれています。
- このワクチンの保管時の温度はマイナス80℃程度で、6か月保存できますが、他社製のワクチンよりは取り扱いが難しくなっています。
- 米モデルナ社製の遺伝子ワクチン
- このワクチンもRNAワクチンと呼ばれる、新型コロナウイルスのmRNAを利用するワクチンです。
- 4週間間隔で2回、筋肉注射という形で接種する必要があり、発症予防効果は従来種のウイルスに対しては94%の予防効果が見込まれるといわれています。
- このワクチンの保管時の温度はマイナス25℃程度で、6か月保存できますので、米ファイザー社製のワクチンよりは取り扱いが容易になっています。
- 英アストロゼネカ社製の遺伝子ワクチン
- 遺伝子ワクチンでもウイルスベクターワクチンと呼ばれるワクチンで、アデノウイルスやセンダイウイルスなどの無害なウイルスを新型コロナウイルスの遺伝子を運ぶ「運び屋(ベクター)」として利用します。
- 4〜12週間間隔で2回、筋肉注射という形で接種する必要があり、発症予防効果は従来種のウイルスに対しては76%の予防効果が見込まれるといわれています。
- 保管も2〜8℃で6か月程度冷蔵保管でき、実際のウイルス感染に近い状態で感染しますので、効果は高いと期待されていました。
- しかし、最近のデルタ株などの新型コロナウイルスの変異種には効果が期待できなくなってきて、ブースターショットと呼ばれる3回目の追加接種が必要だといわれています。
- 追加接種を行うことで、免疫力を維持して、新型コロナウイルスと共存するということになりそうです。
- なお、英アストラゼネカ社製のワクチンには血小板の減少をともなう、重篤な脳静脈血栓症をきたすことが報告されています。
以上のワクチンの発症予防効果は上記のとおりですが、重症化を防ぐという効果はどのワクチンでも同じように見込めるといわれています。
もっとも、新型コロナウイルスのワクチンは感染を防ぐためのものではなく、発症や重症化を防ぐという考え方のもとにつくられていますので、新型コロナウイルス全般に効果があると思われます。
核酸のまとめ
核酸とはウイルスから人間までのすべての生物の細胞内にある、タンパク質の生合成や優性遺伝などの遺伝現象に関係している重要な物質です。
核酸は塩基、糖、リン酸からなる高分子化合物で、DNAとRNAの2種類があります。
DNAはデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)を略した名前で細胞の核の中にある遺伝子の本体です。
DNA上には、生物の身体の構築や生命活動に必要なタンパク質などをつくるための設計図がたくさん書かれています。この設計図の部分のことを遺伝子といいます。
RNAはリボ核酸(ribonucleic rcid)のことで、DNAによく似た遺伝物質です。
RNAはメッセンジャーRNAとトランスファーRNA、リボソームRNAの3種類があり、生物の細胞の核や細胞質にある、タンパク質の合成に関係しています。
ところで、
ウクライナを侵略しているロシアが敗退して、この戦争が終わりますよう、切実に祈念いたします。
I sincerely pray for the end of this war with the defeat of Russia, which is invading Ukraine.
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