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レンネット
「ゲルニカ」などを描いたスペインの画家のパブロ・ピカソは1935年に、ある美術雑誌に文章を発表しました。
しかし、その文章の綴りや文法は誤りだらけでした。
その誤りを指摘する人がいるとピカソは平気で「誤りがあるから個性がでるのさ」といいました。
そのくらいの心臓がなければ、天才といわれるほどの絵を描くことができないのでしょうね。
ところで、レンネットは子ウシの胃袋から抽出した凝乳酵素です。
現代では子ウシの胃袋を使うことが少なくなりましたが、ピカソが文章を発表した時代では100%が子ウシの胃袋を使っています。
ピカソが文章を発表した時代は子ウシ受難の時代だったのですね。
レンネットとは
レンネットはおもにチーズをつくるときに牛乳を固めるために使用する凝固剤で、凝乳酵素とも呼ばれています。
もともとレンネットは子ウシの第4胃袋からつくられ、今でもカーフレンネットと呼ばれているレンネットがあります。
昔のチーズづくりは子ウシをと殺して胃袋からレンネットを含む消化液を集めてつくっていました。
レンネットの凝乳酵素の主成分はキモシンです。
キモシンは牛乳のタンパク質、カゼインを凝固させる作用を持っています。
また、レンネットはチーズづくりに使われるだけではなく、食品添加物としても使われることがあります。
レンネットの種類
レンネットは酵素の抽出方法によって3つの種類にわけられます。
- アニマルレンネット
- アニマルレンネットはカーフレンネットやボバインレンネットでウシやヒツジやヤギの第4胃袋より抽出した伝統的な酵素です。
- 6か月までの月齢の子ウシから得られるレンネットをカーフレンネット、6、7か月以上の月齢のウシから得られるレンネットをボバインレンネットと呼びます。
- ボバインレンネットはカーフレンネットにくらべてキモシンの含有量が低くなっています。
- カーフレンネットは子ウシの月齢により、キモシンと他の酵素のペプシンの割合が異なっています。
- たとえば、生後3か月未満の子ウシではキモシン90%に対してペプシンが10%、 月齢6か月の子ウシではキモシン75%に対してペプシンが25%、月齢6か月以上の子ウシではキモシン30%に対してペプシンが70%となっています。
- 植物性レンネット
- 遺伝子組み換えレンネット
- 遺伝子組み換えレンネットは遺伝子組み換え技術を応用したもので、遺伝子組み換え技術(GMO)によりキモシン遺伝子のクローン化を行ったものです。
- 遺伝子組み換えレンネットは子ウシのキモシンとアミノ酸配列が同じであり、特性も同じであるといわれています。
- 遺伝子組み換えレンネットはキモシン酵素100%を実現できることから、チーズの品質の安定性を確保できますので、世界中で活用されています。
レンネットの問題点
アニマルレンネットのカーフレンネットは生産できる量が限られていて、レンネットの中でも最も貴重なものとされています。
動物愛護運動の影響とBSE(牛海綿状脳症)問題でカーフレンネットの供給量は減少しています。
2014年末にもアメリカでBSEが発生したため、現在では日本に輸入できるカーフレンネットはオーストラリア産かニュージーランド産のレンネットだけとなっています。
微生物による植物性レンネットとアニマルレンネットはできあがりのチーズに微妙な味の差ができるらしく、やはり長期熟成するチーズにはアニマルレンネットを使うことがあります。
BSE問題が深刻化した2000年ごろから世界中でカーフレンネットから植物性レンネットへの移行が行われました。
現在では世界のレンネット生産率の割合の45%程度が微生物による植物性レンネット、アニマルレンネットが10%程度となっています。
残りの45%は遺伝子組み換えのレンネットです。
チーズという製品自体に遺伝子組み換えの酵素は残らないという理由で厚生労働省は許可しています。
ただ、それを消費者が受け入れるかどうかは別問題です。
遺伝子組み換え作物の悪評を気にして、遺伝子組み換えレンネットを使わない製造者は多いのです。
レンネットのまとめ
レンネットはおもにチーズをつくるときに牛乳を固めるために使用する凝固剤で、凝乳酵素とも呼ばれています。
レンネットの凝乳酵素の主成分はキモシンです。キモシンはタンパク質分解酵素のプロテアーゼの一種です。
キモシンは牛乳のタンパク質、カゼインを凝固させる作用を持っています。
レンネットはチーズづくりに使われるだけではなく、食品添加物としても使われることがあります。
レンネットにはアニマルレンネット、植物性レンネット、遺伝子組み換えレンネットの3つがあります。
3つのレンネットによるチーズの味など品質の差は微妙なところです。
ところで、
ウクライナを侵略しているロシアが敗退して、この戦争が終わりますよう、切実に祈念いたします。
I sincerely pray for the end of this war with the defeat of Russia, which is invading Ukraine.
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